身体の中核から周辺へ広がり 繰り返される微細なリズム 私たちが受精卵だった頃から続いている それが、原初の呼吸
私たちの身体は クラニオセイクラル
バイオダイナミクスのセッションは
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クラニオセイクラル バイオダイナミクス
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クラニオセイクラルとは、頭蓋(クラニアム)と仙骨(セイクラム)をつなげた造語で、そのシステムは日本語では頭蓋仙骨系と呼ばれます(仙骨は背骨の土台、骨盤の中心に位置します)。頭蓋から仙骨の間には脳や脊髄などの中枢神経系が存在するため、ここは身体システムの核とも呼ばれます。そして、バイオとは生命のこと、ダイナミクスとは活力のこと。 クラニオセイクラル バイオダイナミクスは、身体システムの核、全体としての体、細胞すべてに生命を与えているフォース(力)に触れるワークです。 私たちの身体システムは、肺呼吸や心拍とは異なるとても微細なリズムを持っています。そのリズムは、私たちの正中線を上昇/下降し、同時に側方へ広がり/戻る動きを繰り返しています。全体としては拡張と収縮として感じられるこの動きは、受精卵のときから存在することで肺呼吸よりも先にあるとして、原初呼吸、または第一次呼吸と呼ばれます。 第一次呼吸のリズムは受精卵の段階でも認められ、胚子〜胎児期には体を形成する力として、誕生後は成長を促し健康を維持する力として、怪我や病気をしたときは治癒力として働きます。第一次呼吸のリズムが整い、潜在力が本来の力を発揮できるようにサポートすることが、クラニオセイクラル バイオダイナミクスのセッションです。
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身体の歴史を理解する
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私たちは受精〜誕生〜発育の時期を経て大人になり、どの年齢でも今現在までの過程で個別の経験をしてきます。例えば受精〜誕生までのプロセスを含めた、怪我や事故、手術などの経験は人それぞれです。バイオダイナミクスのアプローチでは、この個別の経験のことを「歴史・経歴」と呼びます。 その歴史の中で、身体システムはいつでもベストを尽くして身体を守ろうとします。例えば転倒などで身体のどこかに衝撃を受けたときは、その力が身体全体に広がらないように衝撃を受けた組織を緊張させて閉じ込めます。そして安全なタイミングでこの緊張を解放していきます。しかし、衝撃が大きすぎたり、多忙などを理由に身体を休める時間が取れずに緊張が残ると、やがて緊張があることが日常化し、身体はアンバランスの中で代償的に新しいバランスを見つけ始めます−腰が右に傾けば、肩が左に傾き、頭が右に傾くような。 こういった場合、代償作用で起こる不調を敵視するのではなく、ベストを尽くしている身体に感謝するところからワークを始めます。不思議なことですが、「身体は最善のことをしている」と認めるだけで解消される緊張もあるのです。 歴史のないボディはありません。痛みや不調をあってはならないもの、すぐにでも取り去るものとして考えるのではなく、自分自身の歴史として受け止め、身体に対する感謝と理解とともに解消していくことが大切です。 |
リソース(資源)
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一般的に、私たちは痛みや不調がなければ身体のことを意識しません。痛みや不調を感じると、私たちはそれに対して適切な対処をします。たとえば寒かったら上着を着る、疲れたら休む、喉が渇いたら水を飲むように、痛みや不調を感じることも実は自己調整力のひとつなのです。 しかし、時には痛みや不調があまりにも辛くて圧倒されてしまうことがあります。圧倒された身体システムは適切な対応がとれなくなり、自分自身をうまくメンテナンスできません。身体は私たちが意識を向けた方へと進みます。痛みや不調にのみ意識を向けることは、本来の自分の潜在力から切り離された状態を作ってしまいます。 身体の内側に在る居心地のよいところや落ち着くところは、私たちの生きる力がより発揮されている場所=リソース(資源)です。心と身体はつながっています。居心地の良い感覚、大丈夫と思える感覚を実感したり思い出すことが、実は自己治癒や自己調整の力が発揮される第一歩となるのです。 リソース(re-source)とは、源に再び還るという意味でもあります。もともと存在するリソースを思い出したり感じたりすることで、私たちを力強くさせ、安定させ、くつろいだ感覚をもたらします。セッションでは、リソースにアクセスする練習も含まれます。 |
セッションの手順
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当方で行うセッションは手を通して行われ、器具などは使いません。 クライアントの方は着衣のままセッションテーブルの上で仰向けに横たわり、クッションなどを使って無理のない姿勢でいられるようにします。仰向けになるのが困難な場合はクライアントの方とプラクティショナー(セッションをする人)が協力して心地よいポジションを模索します。 クラニオセイクラルという名前は頭蓋から仙骨へ続くラインを意味していますが、実際には「身体システム全体がワークの対象」です。必要に応じて肩や腕、体幹、足などにも触れていきます。手を置くときには位置の確認をし、痛みや違和感があればフィードバックをしていただける手順になっています。 そして第一次呼吸のリズムに耳を傾けるために静かに軽く触れます。クラニオセイクラル バイオダイナミクスのワークの特徴のひとつになりますが、押したり・引いたり・滑らせたりなど動きのあるアプローチではありません。 身体システムの自然な反応として、強く刺激されると抵抗を示します。静かに触れるプラクティショナーの手は、クライアントの身体システムに受け入れられ、抵抗を受けることなく協力してワークを進めることが可能になります。 プラクティショナーは空間も含めてクライアントをホールド(保持)します。その中で、クライアントの身体システムは日常の刺激から離れ、静かに寛いだスペースに身をゆだね始めます。インプットのない状態になることで内側の深いところからの変化が可能になります。 ゆっくりと進むセッションの中で、やがて身体も思考もスローダウンし、静かな時間、広がる空間の中に落ち着いていきます。表層の問題は、その過程で鎮まっていきます。表層の問題が鎮まったあとに、身体システムが導くところへアプローチします。プラクティショナーからの「身体はこうあるべき」といったような押し付けはなく、身体の声を聴き、身体が自ら起こす変容を手助けします。 セッションが終わってプラクティショナーの手が離れた後も、身体システムが新しいバランスになじむ間 ワークは継続しています。クライアント自身でその後の心や身体の状態に気付くことが、ワークをより深める手助けとなります。セッションの最後に気付きのガイダンスをいたします。
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こんなときにクラニオセイクラルのセッション
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以下のような状態が続いて、自分だけでは調整がつかないと感じたときに。 <身体の不調>
お子さんへのセッションを希望される場合、事前に保護者の方が先にセッションを受け、このワークを実感してから、後日お子さんのセッションに入ることをお勧めします(保護者の方の安心感はお子さんの安心感にもつながります)。
<こころの不調>
すでにある内側のリソース(資源)につながる機会としてのセッションもオススメです。 <リラクゼーション>
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セッション間隔と継続期間
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セッションは 1回だけでも意味がありますが、定期的・継続的に受けることで、より恩恵を得ることができます。 継続期間については、最初の状態と達成目標によって異なります。 一般的に、はじめは1週間位の間隔で3〜5回位受け、ワークが身体に浸透し身体が落ち着き始めたら、2週間〜1ヶ月に1回の間隔で続けることをお勧めしています。積み重ねの効果を考えた場合は、前回から1ヶ月までに次のセッションを受けることが望ましいと言われます。 初めての方で、クラニオセイクラル バイオダイナミクスのワークが合っているかどうかわからない場合は、次にあげることを参考にしてください。
最初の目的が達成された後は定期的なメンテナンスとして続けても良いですし、受けたくなった時にご連絡いただくような形で構いません。 月に1回程度のメンテナンス セッションは身体システムにとって十分な滋養になります。またセッションを通して身体の状態を感覚で覚えていきますので、身体を休めるタイミングや、活動しても大丈夫という感覚を普段の生活で応用することができるでしょう。 |
クラニオセイクラル
バイオダイナミクスのアプローチは治療行為ではありません。
セッションで行われている内容に興味がある方は、2日間のイントロダクション コースを受講することをお勧めします。 クラニオセイクラル バイオダイナミクスのワークに興味がある方は、トレーニング プログラムを参考にご覧下さい。 |
2013
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